生死とどうやって向き合っていくのか?

国ごとに異なる高齢者の死因について

生死に向き合うにあたって死因について知っておくことは大切でしょう。
例えば高齢者の場合、一般的なイメージとしては、老衰による自然死という印象が強いです。
身体機能が徐々に低下し、眠るように亡くなる高齢者がいるのも事実ですが、いわゆる自然死は高齢者の死因では決して多数ではありません。
むしろ、何らかの病気によって体が弱り、遂には絶命する病死が多いのです。
医療技術の進歩によって人類の寿命は長くなりましたが、その一方で加齢による体力の低下は様々な病気を患うリスクの増大にも繋がっています。
高齢者のように年齢を重ねるほど病気にかかりやすく、その結果死因の多くが病死で占められるようになったようです。
また、骨も弱くなっていることから転倒による骨折で寝たきりになり、そこから急激に体が弱って病死するケースも増えています。
この傾向は世界中に見られる傾向ですが、日本と他の国では高齢者の死に対する認識が違っていることは無視できません。
日本では少しでも長生きすることが良いとされている一方、他のいくつかの国では健やかで意識もはっきりしているうちに生きるのを終わらせる尊厳死が尊重されています。
尊厳死とは、自らの意思で死を選ぶ一種の自殺という考えであり、死因も自殺として扱われています。
また、回復の見込みがない人に苦痛を与えない目的で治療を放棄する安楽死も本人の希望であれば自殺、そうでなければ他殺扱いです。
そのため、尊厳死や安楽死を合法として扱っている地域では高齢者の死因で自殺、他殺の数が多くなります。
現在、日本においては尊厳死も安楽死も認められておらず、自殺や他殺の割合は少数なのです。